光芒と闇「東急」の創始者五島慶太怒濤の生涯(菊池久 経済界)

 まぁ、正直、取るに足らない本ではある。渋谷(の再開発)について関心があるので、東急、のことを知っておかなければいけない、と思い読んでみた。猪瀬直樹「土地の神話」や大下英治「東急帝国」、も借りたけどまだ読んでない。とりあえず、入門として簡単に読めそうという理由。
 ただ、「闇」というから少しは批判的な距離を取っているのかと思ったが、ページをめくるに従って単なる<よいしょ本>になっていく。
 日本の侵略の尻馬に乗って「大東亜共栄圏内の交通とホテルは、わが東急で独占してみせる。」と言っていた五島は、終戦後公職追放(東条内閣の運輸通信大臣だったため)にあうが、復帰した時のコメントでは「自由貿易が理想的に実行されるならば、領土など問題ではない。考えてもみたまえ、一九世紀から二〇世紀の初頭までは、英国はあの小さな本国だけの領土で、商業によって世界を圧倒することが出来たではないか。~こんどは経済力によって自然と東亜民族の繁栄を促進する「共栄」が出来るわけだ。」などとのたまっている。
 それに対して著者は「大変な達見だ」とくるから、アホらしい。
 まぁ、こういう起業家というもののメンタリティがおぼろげながらも伝わってくる本ではある。そして、渋谷の街の開発はこのような支配と権力に依存し他者の痛みに鈍感になってしまった人間によって展開してきたわけである。五島慶太の長男が「昇」、次男が「進」、合わせて「昇進」、慶太がまだ官僚だった時の命名だが、これには苦笑した。
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by isourou2 | 2013-01-31 18:53 | テキスト


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