独学者のための英語学習本ガイドコーナー

プチ収集癖があるのである。それで、同じようなジャンルの本ばかりがある期間急増することになる。それらはたいていヅンドク状態。過去でいえば、気功関係、明治大正期についての本、最近でいえば、英語の学習本である。
英語についての本がいつのまにか、30冊くらいという事態に。で、まだほとんど読んでない。このままでは悔しいので、評価するためにも読むことにする。
ちなみに、私は英語の超初心者である。これまでの人生で何回か英語を話せるようになろうと試みた(NHKラジオを聞いたり)が、実を結ぶことはなかった。今年の1月に、20年ぶりに海外に行くことになり、英語の特訓をしようと思ったけど、時間がなくてまるでできなかった。飛行機に乗ったとたん添乗員の英語が全く聞き取れないことが判明しあせった。1週間の滞在で意志疎通の困難さにつらい思いもした。第一、海外まできて話せません、ではもったない。そこで、遅ればせながら本腰を入れることにした。
英語、に対する反感もある。一部の人の母国語が世界共通語になるというのは、どうもかなりおかしい。不公平だ。帝国主義でしょ。そういう違和感、反感もまた英語を忌避する原因でもあった、、、と言いたいが、しかし、実際は本気になるだけの必要がなかっただけだろう。今回は本気だ。そのつもりだ。30冊ある。はたして上手くなるのか。感想はどんどん追加していきます。

*アメリカの子供が「英語を覚える」101の法則(松香洋子 講談社2000)

図書館のリサイクル本にあった文庫サイズの本。
しかし、これは革命的。副題の「目からウロコの発音術」というのは伊達ではない。
英単語のスペルと発音の関係や法則をまとめたフォニックスを説明した本です。英語は、まずはここから始めた方がよいと絶対思う。
なぜ、中学でこれを教えてくれなかったのか。というか、ぼくらの中学の英語教師の発音は、全くネイティブに通じなかったので、それ以前の問題であるが。今は、中学(小学校?)でこれを教えているとの噂も聞いたが、まさに基礎中の基礎だから当然。フォニックスを知ると、単語のスペルを見ただけで発音が出来て、発音を聞いただけで単語を綴ることが出来る。(もちろん、例外もあって完璧ではない。)それだけで、どれほど英語の学習が楽になるか、その効果は計り知れない。
フォニックスについては、類書はいろいろあるけど、この本が解説が詳しいし、包括的だと思う。そばに置いておきたい一冊。巻末のスペルと発音記号のつきあわせ表はフォニックスから発音記号への橋わたしとして便利。
元になっている本が1981年刊行のため、発音の説明ががところどころ古い部分もあるかもしれない。(THやFの発音など)。しかし、それで困ることもないと思う。
ただ、フォニックスが分かれば、英語の聞き取りや発声も大丈夫なのかとはじめ勘違いしたが、あくまでも単語の聞き取り発音に有効、というもの。実際の文章の聞き取りや発声には、フォニックスだけではなく、強弱、省略、リエゾン、高低、などの文章や単語間のルールを知ることが必要。
繰り返し読んだ英語の本は、今のところこれだけ。本当の初心者には強力にプッシュします。

*英会話・ぜったい・続・シリーズ(國弘正雄・千田潤一 講談社2004)

入門編、標準編、挑戦編の3冊シリーズ。ちなみに、同様のタイトルで「続」がつかないものがあるが、ほぼ同内容らしく音声は「続」の方がいいらしい。ブックオフなどでは混在しているので、注意が必要。
入門編は中1・2、標準編は中3、挑戦編は高1、英語の教科書からテキストを10数個選び、それを朗読しているだけの実にシンプルな内容。主な単語の意味は書いてあるが、文法などの解説は皆無で実に薄い本。ちなみに、巻頭25ページくらいの國弘氏の解説はどの本も同じだから実質100ページに満たない。
とにかく、これらの朗読を聞き、音読して、筆写する、その様々の方法が説明してあるだけである。
しかも、1冊を終えるには毎日2ヶ月繰り返してやらないといけないとなっていて修行みたいである。徹底的に、音を頭に複写するという方法である。たしかに、やりきれば聞くのも話すのもそれなりに自然と出来るようになりそうだ。だが、これをやりきれる人はどれほどいるのだろうか、、、。ぼくはすぐに飽きた。
なんだか、手抜き本のようだが、特筆すべきことがある。テキストの読む音声が非常にクリアで質が高いことである。とても丁寧に作られているのが分かる。付属CDが音質やクオリティは、持っている本でこれが今のところ一番いいようだ。
だから、NHKラジオ講座をきちんと聞くなんてことが出来ない人(=私)が、この教材を使うといいのではないかと思う。
この本で推奨している苦行に近い勉強方法ではなく、好きなところを繰り返し聞いたり、この本で紹介されている方法を様々試したり、自分なりカスタマイズして使ってもよいのではないだろうか。
ブックオフで買った本は、巻末の自己評価の表への書き込みによって途中で挫折している様子が手に取るように分かる。挫折するくらいなら、このクオリティの高い朗読を自分なりの方法で活用する方がましな結果が生まれるのではないか、、、と期待したい。

*ブックオフで英語本を買う時のコツ

コツというか、まず付属CDやDVDが欠けていることがけっこうある。それを平気で高い値段をつけているので注意が必要である。また、書き込みがある本は、交渉によって格安にすることが出来るので、あんまり書き込みだらけでうんざりさせられなければ狙い目である。
辞書の類は10年前のものなら、100円から350円くらいで買える。それで、充分だと思う。最新版とそんなに内容は変わらないだろう。コストパフォーマンスで考えればとんでもなく安い。

*代々木ゼミ方式英文読解入門基本はここだ!<改訂版>(西きょうじ 代々木ライブラリー)

受験学習書である、、、しかも、予備校が出している、、、という時点で、受験生以外のたいていの人は気分が萎えるのではないだろうか。当然である。しかし、実は受験参考書はよく出来ている。効率よく学習するノウハウが詰め込まれているためである。(翻訳家の行方昭夫「英文快読術」(岩波同時代ライブラリー1994)においても、大学入試の問題の質の高さ、学習参考書の内容の良さをほめ、大人の英語学習の方法として再読をすすめている)
もちろん、こちらはテストで得点をとることが目的ではないので、若干ずれるところもある。
学習参考書に限ったことではないが、英文解釈と和訳、は似ているけど同じではなく、受験生でなければ和訳の機会はそれほどなく読みとりだけできればよい場合が多いだろう。この本も解釈と和訳の方法についての参考書である。

この本は薄い。150ページくらいである。そして、実質的に英文を読むときに役に立つポイント、誤解しやすいポイントが丁寧に解説されている。ただ、基本といいつつ、文法用語の説明はほとんどないので、そういう知識(中学校レベルの文法)は必要である。たぶん、これだけ分かっていたら充分に英文は読みこなせるのではないだろうか。
そして、この本の特徴は、著者の独白がところどころに挿入されていることである。そして、これが、ナルシスティックで実にうざい!ただ、うざすぎて独特のリズムをこの本に与えている。「・・・余談ですが、わたしの部屋の窓は森に面していて、雪で真っ白になった木々を見ながらこの原稿を書いています。(以下7行略)。じゃあね、SEE YOU LATER!・・・」という感じのものが随所に書かれてある・・・。しかも、例題からは、どことなく著者の妄想的恋愛観やコンプレックスが伝わってくる。それらに、受験生が励まされたり共感したりしているとしたら、それもまた、なんだか、、という感じ。(たぶん、そんなことにはなってないと思うが。)著者の個性を出すことによって、無味乾燥になりがちな参考書を読みやすくするという手法はさまざまな形で他でもあるが、だいたいあまり成功していない。著者の個性は、英語についての考え方や教え方で現れればいいので、それ以外の部分は余計である。この本の場合は、手法というのを超えて、誰にとっても不必要というところまで、独白がせり出していて、その意味不明さ、気味悪さがだんだんサイコな雰囲気を生み、読み終えた時には、親切な人でもある変態からようやく逃れえたような解放感がある。「・・・笑顔は自らにも他者にも新たな力を呼び起こすものです。つらければつらいほど、にこっと笑ってみることが解放につながる力を生むものです。この参考書は、以上で終了です。最後まで読み通せた自分に自信を持って、笑顔で終わりましょう。SMILE!・・・」
内容はいい。再読予定。

*再読しました。2回目はたぶん数日あれば読了できる。そして、内容が丁寧であること、そして間違えやすいポイントを押さえてあることがよく分かった。また、機械的な受験問題に対しての一定の距離もあり、そこに好感がもてる。文の書き換えなどにおいても、実際は意味がどう変わってしまうかを繰り返し書いているし、日本語らしく訳しかえることの問題も書いている。旧情報ー新情報、なども押さえてある。2回読んで、だいぶ整理がされたような気になった。ただ後半の倒置とか省略、同格などの部分は、概略しか書いていない。基本に重点を置いているので、それは仕方ない。(受験生ならずとも、英文読解の透視図、に進めばよいのではないかと思う)
あと、再読の良い点は、2回目は作者の独白(地雷)を飛ばして読めばいいこと。

*実は知らない英文法の真相75(佐藤ヒロシ プレイス2006)

またもや、代々木ゼミナール講師。
過去分詞、というのは、過去(つまり時制)と関係なさそうだ、ということに気づき、本の中にそのことについての「真相」が書いてあったので購入。
しかし、この本は誤植が多い。校正がちゃんと行われていない本というのは、参考書では致命的。
かつ、あやふやな説明も散見。たとえば、「「TO+原形」も未確定状態だから「TO不定詞」というのです。」
という説明は、間違いではないだろうか。
(意味上の)主語に対応して動詞の形が変わる(定まる)ことがないために「不定詞」と呼ぶはずである。(「英文法の疑問」大津由起雄)
また、TOO=TWO、だというのは、語源的には別だが語感的には似ていて「元は同じ」と考えるとすっきりする、というのが2ページにわたって書かれているが、首をひねらざるえない。2つを別に覚えればいいし、当然覚えていることだから、無駄な文章を読まされているだけである。
「真相」というわりには、こう考えた方が便利とか分かりやすいみたいなあやふやなことがいくつも書いてある。なんか、予備校教師の駄弁を聞かされているのではないかという不安が払拭できない本である。
中には有益な話もあるのだろうが。
ぼくが買ったのは初版本だが、初版本は誤植が多いのかもしれないので、注意が必要。
*追記 20150130
通読してみた。この素っ気なく予備校的なセンスのない表紙、そして、やけに目に付く誤植。それにも関わらず、実は内容は参考になる目から鱗なところがけっこうある。短い読み切りのためそれほど苦にならず読める。たしかに、序文にあるように重箱の隅をつつくようなものではなく、英語の核に触れるような骨太な内容も多く、この種の英文謎とき本の中で秀逸だと思う。ぼくのせいかもしれないが、今一つ謎ときになっていないところや、前に書いたように覚えることが増えるだけのようなところ、があるとは思うが、それほど多くはない。多いのは、何度も書くように、誤植。こんなに誤植の多い本は見たことがない。出版社も作者も、まじめに校正したとは思えない。そういう部分で出版側の誠意や意気込みが受け取れなく、本の価値が目減りしている。内容が悪くないだけに、もったいないことである。(ちなみにぼくは6カ所以上の誤植を見つけた。)本書の続編も出ているが、安ければ入手したい。
*追記 20150401
ちなみに、この本の印刷・製本は株式会社シナノである。最終的に誤植の多い本を出した責任は、著者と出版社にあるわけだろうが、その原因はシナノなのではないだろうか?ちなみに、田中 茂範氏の「表現英文法」という分厚い参考書があるが、ブックオフで見つけたが、巻頭のあいさつ文からして誤植があり買うのを控えた。(数日前に出た改訂増補版では修正されているのだろうか、、、気になる)。同書のアマゾンレビューには、「※ 以前に過去最悪のとんでもない誤植本にあたったことがあったが、印刷会社は忘れもしない本書と同じ シナノ だった。」という一文がある。同書には200か所以上の誤植があるとの指摘である。印刷会社がなぜ誤植の原因になるのか分かりにくいところもあるが、シナノの関連会社は編集業務もしており、そのためなのかもしれない。シナノは激安の印刷会社らしい。ちなみに、ここ(転職会議http://goo.gl/WqO8NB)を見るとかなりブラック企業な感じが漂っている。「とにかく残業が多く仕事量が半端ではない朝から深夜まで働きずめの毎日でした。日々納期に追われる毎日で精神に異常をきたしてしまう人間も多かったです。」「平日のプライベートな時間が皆無です。人間らしい生活を捨てるのであれば構わないと思いますが、仕事量が増えれば休日も犠牲になります。」「会社の近くに住み、自宅と会社をただひたすらに往復してるだけ。家には寝に帰るだけ。生きがいを無くしました。」「基本的に毎日、深夜まで働かされました。残業代はもちろん出ません。」などという言葉が並んでいます。推測だが、こういう職場環境ゆえに誤植が多発しているのではないだろうか。出版社や著者も、安ければいい、ではなくこういう部分もきちんとチェックしてもらいたいと思う。

*「英語」なんて話してたまるか!(河口鴻三 サンマーク出版 2003)

簡単に英会話をするための本。基本的にアメリカ人がよく使う短いフレーズを集めるという類書も多いジャンルの本。だけど、日本人が会話で不得意とする部分(聞き返す、確認する、あいづちを打つ、沈黙を作らない、など)や発想(上下関係を気にしない、など)を作者のアメリカでの苦労に裏打ちされた内容でまとめたもので、親しみが持てる。また、3時間くらいで読めて、けっこう実際役にも立ちそう。作者は英文法や言語学についてもある程度は知識がありそうで、その点もやや安心感がある。
内容としては、まったく基礎の基礎。学校英語とはちがう知識もあるので、ある程度分かる人にも読み物としていいかもしれない。もちろん、ぺらぺらの人には不要。
ブックオフではあまり見かけないが、200円で売ってました。初版本のためか、大きな誤植あり。実用書で、初版本は忌避すべきなのかも。
出版社は、スピリチャル系やうさんくささで有名なサンマーク出版ですが、、、まぁ、、、悪い本ではないです。

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by isourou2 | 2014-03-09 21:42 | テキスト


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