英作文なんかこわくない(猪野真理枝 佐野洋 馬場彰 東京外国語大学出版会 2011)

スタンダードになりうる志の高い英語学習本だと思う。英語と日本語の文法や発想など、相互の言語の比較に基づいて、英文を書く実践が学べる本。今まで、この手法を緻密に展開した学習本はなかったと思う。つまり、画期的である。スタンダードという評価には、ある程度体系があり網羅的であるという意味が含まれる(もちろん学問レベルではなく学習レベルの話)。網羅的にするには必要不可欠な部分以外の退屈なところも含めざるえない。だから、一通りこなすには、そこそこ我慢が必要だった。しかし、最後まで出来たのは(そういう学習本自体がぼくには稀有)、内容が面白いし、発見もあるからだ。英語は動画的、日本語は静止画的として、日英の描写方法を図解したところなどは目から鱗であった。そして、この本は日本語文法の勉強にもなる。語学学習には、その言葉にずっぽり飛び込んで、その言葉の文法・発想を身につけるべき(英語で英語を考える、英英辞典を使うような感じ)という派閥がある。この本は、その対極にあり、日本語と英語の違いを明らかにすることで、日本語から英語へと丁寧に橋渡しをしている。よって、一番有効なのは、英作文というよりも、和文英訳だろう。
しかし、残念なことには、分かりにくいところや誤解しやすいところが散見し間違いもある(決定的な欠点ではないが)。うでのいい編集者が改訂すれば、もっといいものになるはずだ。あと、一度読んだだけでは頭に入らない。たぶん再読しても同じではないだろうか。画期的な本だとは思うのだが、これで実力がつくのかは自信がない。むしろ、ドリルはなくして項目を増やし、読み物+辞書的使い方も出来る本にした方が役立つのではなかったか。それはかなり欲しい。
ちなみに、第二弾もあるのだが、内容が気になる。
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by isourou2 | 2015-09-23 01:31 | テキスト


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